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今年の冬は寒くつらい日々が続いた。 1月の初めにドカッと雪が積る 毎日のように少しずつ降る 毎日除雪だ。 町の方の人々には想像もつかないだろうが機械で除いても大変な作業で 今年は捨て場に困るほど雪、雪、雪だった。 おまけに最低気温は−18℃になるし お盆までとけないのかと思うほどの量だった。 除雪は本当に無意味な事だ。

お盆まではともかく春になれば自然ととけて 形が無くなってしまって何をしていたのかと思うが 除雪をしないと車が走れないし歩く事だって出来ない。 市で道路は除雪してくれるが 門口とかは、はいてくれない。 暖房費だって町の方と比べたら倍は使っている。 当然、山の中に住んでいるから石油代補助しますよなんてことは あるわけがない。 町に行って帰る途中に一番考える なんでこんな所に住んでるんだろうと。 毎年冬になると考える事だが今年の冬は本気で考えた事もあった。 相馬の友人に「大橋さん下(町のこと)に土地買って家作れ」と言われる。 ……・・いろんな考えが頭の中をかけめぐる。

先日、となりの部落の人が中山間地域で補助の対象の地区になった話を聞いた。 国から5年間に渡って田んぼをいつでも作れるよう管理できる事が条件らしい 数年後には来るであろう食糧危機の対策だ。 町に行くと毎年 田んぼだった所に住宅が建ったり、 大きなスーパーが出来たりと 確実に耕作面積は減少している。 日本の食料を支えるのは中山間地域だけになってしまうのだろうか。

私も以前は、しいたけ農家であってブロイラー農家だった経緯が有り ともに価格破壊とやらで 中国や東南アジアの安い農産物の輸入が増え、 経営が困難になり借金だけが残った苦しい経験が有る。 今になってセーフガード(緊急輸入制限)発動とか言って騒いでいるが今ごろ遅い。 農家の生産意欲はもうすでに失われているはずだ。 工業界はじめ飲食業界も価格破壊が甚だしい。 ある本を読んでいたら経済学者が言っていた。 景気が悪くて物が売れないので安くする。 安くすると企業が儲からない 儲からないと人件費を減らす。 と言う悪循環がデフレにつながるのだと言う。 私も安い物は好きだが これで言い訳が無い。 安いにはそれ相応の理由があるはず 特に食料品については十分な注意が必要だと思う。

玉野は頂上なので水は清いし、ダイオキシンだって硫黄酸化物も無いに等しい。 個々の地区民は、無農薬の野菜を作っているし 牛乳だって3.8牛乳がある、 電気が止まっても水道は引き水だから大丈夫だ 当然水洗トイレも大丈夫 山に木はいっぱいあるので燃料の心配は無い。春になれば山菜が採れるし 秋には木の実、きのこ取り 食料の輸入が止まっても大丈夫だ。 全てにおいて自給自足が出来る。 ああ〜 やっぱり山はいいのかな......。と春爛漫の今思っている。

桜、こぶし、梅、かたくり、一輪草、モモとが 一度に咲き乱れた。 冬厳しかった分春の到来が平年よりも10日ぐらい早かった。 朝、うぐいすの鳴き声で目を覚まし やわらかい春の日差しを浴び、 新緑の山々を眺める 絶対 玉野の今は最高だ。

やっぱり俺は町には住めない。住み慣れたからいいのでは無くて、心から好きな土地だ。 もし、独身の女性が読んでいてくれたら お嫁においで 心の清い独身の男もいっぱい居るよ。

(2001.春 記)


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