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4月に入り桜前線が北上するにつれ心がうきうきとして来る。 山歩きの出来る季節になってきたからである。 冬枯れの寒々とした季節から、木の芽が少しずつ成長し靄に煙ったように山全体が活気づく、 そんな暖かみのある季節になってきたからである。

山は正直である。春には新芽を出し萌え、夏は新緑で覆われ、秋は紅葉で燃え、冬は葉を落とし じっと耐え春を待つ、駆け引きなど一切ない。 私はこんなところが大好きである。

昨年の3月に大都会近郊に戻り早一年が経過した。 自然とは縁遠く人の多いところで暮らしていると息が詰まりそうになる。 そんな時山に出かけ自然と触れ合う事が、自分自身のリフレッシュにもなる。 今年に入り、なんだ・かんだと言いながら、理由をつけては、玉野地区に足を運んでいる。 今の時期萌え出す山も魅力があるが、山仲間と情報交換し自分達でとった食材を 食し盛り上がるのも楽しみの一つである。 皆良い仲間である。おのおの自己主張はあるが、 かと言って人の主張までさえぎって独断に走る者はいない。 互いに互いを尊重しながら自然に生きているようにも見える 「本当はそうでもないかも知れない」それも魅力の一つである。

世の中大変な時代である。 狂牛病・鳥インフルエンザ等食の安全の問題、イラク派兵、北朝鮮・テロなど 国家としてのセキュリティの問題、企業・国家公務員・国会議員等を含めた 不正等のモラルに関する問題、凶悪犯罪の増加など数限りない問題が蔓延っている。 このままで日本という国は大丈夫なのだろうか?などといえた義理ではないが、 日本も他国も「正直者が少なく、絆も薄い」のだろうとも思う。 額に汗して頑張っている人のためにも、安全で安心して生き生きと暮らせる 世の中(日本)であって欲しいと願う事は間違いであろうか。 日本の美徳とされた「礼儀正しさ・敬い・思いやり・助け合い」と言った 何処にでもあったものが現在ほとんどなくなりつつあるように思われる。 いつの頃から人は「エゴをもろだしにし、身勝手で、自分だけ良ければあとは 関係ないといった気持ちになったのであろうか。」、 また「自然と共生して生きる事が、いかに大切であるかを忘れてしまったのであろうか。」、 非常に残念である。

昔標語に「狭い日本そんなに急いで何処へ行く」と言ったものがあったような気がする。 ボーダレス時代(地球規模での交流)と言われて久しいが、 最近では外国に進出した企業が国内に戻りつつあるとも言われている。 今も日本企業の空洞化は続いているものの、日本の良さを再発見した企業も多いのではないのだろうか。 日本の利点・地域の利点をもっともっと伸ばし、 多少不便でも人の絆を大切にする社会をつくる必要があるのではと思う、今日この頃である。

3月中旬から春浅い野山に入り、野ぜり・ふきのとう・のびる・野かんぞう・唐し菜等を収穫し、 苦みのある食材を定宿である「ふぁーむ庵」で食しながら、 一方自然と共に生き生きと生活している仲間と共に、 今年も山の幸が食べられ、絆を深める事ができる、最高の幸せである。 人生80年と言われている時代、利便性を求めて都会で生きるのもその人の人生である事は間違いないが、 ちょっと足を伸ばし自然豊かで人の心の豊かさを知る事のできる、 ここ福島県相馬市と霊山町との境である玉野地区に行ってみてはいかがですか。 レストラン「ふぁーむ庵」特にこれからの時期は、 メニューにない一品と心豊かなスタッフと野山を愛する山賊たちに会えますよ。


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