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山々の木々の芽吹きが始まり、萌黄色に染まる山々を眺めていると気持ちが落ち着く。 春も秋の紅葉と同じくらい、新芽にも紅葉があるんだー 知らなかった。 これからが山歩きの楽しさが始まる。

新緑の山の中 森林浴をしながら見る可憐な山野草 すみれ、一輪草、二輪草、岩鏡、ひとりしずか、しょうじょばかま、 冬にじっと耐えここぞとばかり咲き誇る花々姿身は小さいが、 一生懸命咲いている姿に感動を覚える。 アルコール類を飲みながらの山歩きでは、こう行った感動は生まれてこない? でも山の中で休憩を取りながら飲むアルコールは、 自分が生きているとの実感を与えてくれるゴメンナサイ!。

自然とうまくお付き合いすることが大事である。もう一つの楽しみは、 山菜採りである、たらの芽、こしあぶら、しどき、わらび、ぜんまい等々食材にはこと欠かない。 寒い冬を耐え偲びやっと顔をだしたら食べられてしまう山菜には申し訳ないが、 春になるとついつい思い出してしまう。

「ファーム庵にいったら食べられるかな?」毎年季節限定で出しているから今年も大丈夫であろう。 毎年「毒キノコ研究会メンバー」と山歩きをして気になることがいくつかある。

一つは山菜採りのマナーである。 特にたらの芽等は芽吹く前から芽のところが、切り取られる。 食べごろになった芽はノコ・ナタで切倒される、 まるで自然破壊そのものである非常に残念なことである。

二つは回りの山々が裸になって行くことである。 理由あってのこととは思うが、緑が少しづつ減って行くことは残念である。 数年先、数十年先自然の力で元の姿に戻れるのであろうか? 約5年振りで、都心近く(埼玉)に戻って来た。 一応都会と言われているところでの生活が始まった。 ついつい山の山菜の成長具合はとか、峠の新鮮野菜のお店は開店したかとか、 常宿にしていた「ファーム庵」にメンバーが集い酒を肴に情報交換をしているんだろうか 等々頭の中を過ぎる。

たしかに都会は便利である。電車は数分おきに走っているし、 バスの本数も多い、買い物するにしても多くの店が立ち並び どこで買うか迷うくらいである。

わずか1ヶ月弱の都会での生活であるが、 5年前に生活した都会での生活とはどこか違うようである。 多少不便ではあるが、自然豊かな環境で生活していたからか?いやいや違う。 異業種交流とでも言うか利害関係のない仲間(毒キノコ研究会メンバー)の 中で過ごしたからか?はたまた自然と共生しながら伸びのびと、 助け合いながら且強(したた)かに生きる仲間の「毒」に毒されたからなのか?

答えはたぶん 仲間の「毒」に毒されたのだろう。 現実の世の中は益々厳しさを増している。 国外ではイラク戦争復興の問題、新型肺炎(サーズ)の問題国内的には 相変わらずの景気の低迷、新卒者の採用減などプラス要因は1つもない。 せめて将来を担う若者世代が頑張れる世の中であってほしいものである。 最近気になるのは、景気の低迷の中で日本も地域社会も企業も どんどん小さくなって来ていることである。売上の話ではない。 儲け(目に見える物)が少なくなれば目に見える形でリストラ、賃金カット等が行われる。 それらいわく目先の対応でしかない これからの 国、地域社会、企業等大丈夫であろうか。

相馬市副霊山、霊山町近辺あるいは山の中で私は「毒」されてしまったが、 「毒」とは本来目に見えないものである。 人で言えばひとの気持ち、感情、繋がり、協力、助け等ではないだろうか。 昔では当たり前にあった事が、世の中の進歩と共に忘れさられ。 都会化と共に忘れさられ。不況と共に忘れさられている。

いまこそ「目に見えない物が大事、大事にする」ではないだろうか。 国、地域、企業に取っても今こそ目に見えない部分を 大事にする気持ちが必要ではないだろうか。

幸いにして「毒キノコ研究会」会長を引き続きやれとのメンバーからの温かい指示、ありがたく思っている。 都会に近いところに来た関係で、霊山界隈には度々行けないが、 「目に見えない物」もちろん目に見える物を探しに季節の変わり目を目標にお邪魔したいと思っている。


★この会の活動に興味をお持ちの方は★
当庵:ohashi@soma.or.jpまでお問い合わせ下さい。 当研究会には難しい規則はありませんが、「自然が好き」「人が好き」で、 山歩きの最低限のルールとマナーをわきまえた方のみが集う会です。 この趣旨に賛同できない方は、申し訳ございませんがご遠慮下さい。


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